心理学系大学院へ行こう

“心理学系大学院へ行こう”では、主に大学院入試対策向けの参考書や受験のための知識を紹介しています。卒論対策にも一読ください。 さらに, 研究者になるにあたって役立ちそうな記事も掲載しています。psychology_ganbaru

2017-01-01から1年間の記事一覧

ヴントと内観法

心理学入門の第1章「心理学の歴史」で触れられている話ですが,WEB上ではあまり解説しているところがないので,せっかくなのでヴントの名誉のために周知しておきましょう。 1879年にドイツの心理学者W.ヴントは心理学実験室を,ライプツィヒ大学に設立します…

最近のベイズの話

今年の日心はベイズが人気だったようで。 私は残念ながら参加できませんでしたが,あるワークショップの資料が公開されていました。面白そうな企画だったので,読ませてもらいました。私はベイズについてはほぼド素人で,多少無責任なのですが感想をメモして…

多重性の問題について2

さて,前の記事に書いた,2番目の多重性問題の弊害について詳しく解説します。 まず,「なぜ弊害が大きいか」というと,それはずばり, 「繰り返し数が(尋常じゃなく)多くなりがちだから」 です。検定の多重性は,検定を繰り返すほど,タイプ1エラー(ある…

多重性の問題について1

検定の多重性という問題があります。ちょっと調べなおしたのでメモ。 検定の多重性とは,「検定を繰り返すと,第一種の過誤をおかす確率が上昇してしまう」というものです。第一種の過誤とは,「間違って犯人を逮捕(有意だと判断)してしまう」エラーを指し…

相関係数の大きさの基準

ギルフォードの基準: 英語表現メモ。 相関係数は効果量の一種として解釈されるべきであり,数値そのものは有意とかに関係ありません。このような相関係数の大きさの基準として,日本では,Guilford (1956)がよく引用されます。オリジナルは1942です。英語で…

超簡単・心理統計の基礎7 母集団とサンプル

超簡単・心理統計の基礎7 母集団とサンプル 母集団とサンプルの関係 一般的な,心理学の統計的仮説検定では,実際に分析対象にするデータをサンプル(あるいはサンプルデータ)と呼びます。 なぜかというと,私たちが「実験・調査の対象とするデータは,研究…

心理学統計入門(講談社サイエンティフィク)

一応,★五つ。 心理学統計入門 わかって使える統計法 講談社サイエンティフィク 板口・森(著)★★★★★ 本書の最大の特徴は,「わからなくてもいいから,とりあえず覚えておけ」という部分と,「しっかりと原理と仕組みを理解する」ための解説が分かれていると…

心理学統計の基礎,改訂。

ずっと前に書いたままになっていた,いくつかの解説を改定しました。大雑把な理解としては,間違いはない状態になっておりますので,改めてどうぞ。 心理学統計の基礎 1.記述統計量 2.統計的仮説検定 3.t検定 4.分散分析 5.分散分析おまけ 6.手計算でおこな…

ステップアップ心理学シリーズ

講談社より,心理学のシリーズもの教科書が3冊発売されます。 心理学レポート・論文の書き方 心理学統計入門 心理学入門 レポート本と統計本は,2冊とも(1)「とりあえず書いて何か出す」→(2)「理屈を理解する」→(3)「周辺的なところまで理解を深め…

超簡単・心理統計の基礎6 手計算でおこなう多重比較法

超簡単・心理統計の基礎6 手計算でおこなう多重比較法 分散分析の後の多重比較に関しては,統計ソフトが勝手におこなってくれることが多いですが,検定の多重性問題を考慮するときなどは,自身でちょいと計算してあげなければいけません。 Bonferroniの方法 …

心理学演習レポート 図の作り方

授業で教えても全然みんなちゃんと作ってくれないので,図表の作り方をYoutubeにアップしました。 折れ線グラフは,某大学,心理学演習の鏡映描写実験レポート用です。演習レポートや卒論で,綺麗な(ちゃんとした)図を作りたい際に,参考にしてください。 …