心理学系大学院へ行こう

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p値の誤用

統計学者の業績稼ぎかお金稼ぎか暇つぶしか,あるいはただのマウンティングか,統計的仮説検定・p値攻撃はなかなかやまないようです。こんなのに踊らされるのはよくありませんね。

正しく使えばいいだけなんです。

ある理論やツールを間違って使っている人を捕まえて,あるいは厳密な言葉遣いをしていない人を捕まえて,その理論そのものを否定するのは愚の骨頂です。理論は理論なのです。統計的仮説検定はなんでもできるスーパーマンではありません。使い方や説明範囲が非常に限定されているものなのです。これは,統計学そのもの,あるいは科学そのものにも当てはまります。

何はともあれ,統計的仮説検定の間違いやすい点を再度おさらいしておきましょう。

統計的に有意になったからって・・・

 ・効果がある(大きい)とは限らないよ!
 ・その結果が再現性のあるものとは限らないよ!
 ・p値は対立仮説が真である確率ではないよ!

ただし,効果が大きければ,有意になる確率は高くなります。再現性がある現象であれば,有意になる確率は高くなります。対立仮説が正しければ,p値が小さくなる(有意になる)確率は高くなります。確率っていっちゃうと厳密には突っ込み対象になっちゃうかもしれませんが,一般的な意味でね。


統計学者であれば,統計できない人を非難するのではなく,今まで正しく統計を教えてこれなかったことを恥ずべきじゃないですかねえ。