心理学系大学院へ行こう

“心理学系大学院へ行こう”では、主に大学院入試対策向けの参考書や受験のための知識を紹介しています。卒論対策にも一読ください。 さらに, 研究者になるにあたって役立ちそうな記事も掲載しています。psychology_ganbaru

最近のベイズの話

今年の日心はベイズが人気だったようで。

私は残念ながら参加できませんでしたが,あるワークショップの資料が公開されていました。面白そうな企画だったので,読ませてもらいました。私はベイズについてはほぼド素人で,多少無責任なのですが感想をメモしておきます。

ベイズ統計をどう教えていくか −心理統計教育の中への取り入れについて考える
https://drive.google.com/drive/folders/0B-xBxU9fn5ngTHZ3YWthc0REME0


まず,教育,教える側からの観点というのが非常に重要ですね。とりあえず,そのスタンスはみんな見習って欲しいものです。

>小杉先生のやつ
ベイズのメリットとして,『「ないない」から「あるある」へ,一点張りではないので,幅をもって自身の強さを表現』とあります。それはいいんですが,「幅をもたせること」で,なんのいい事があるのかがやはりわかりません。嘘つくとかつかないとかじゃなくて,研究における直接的なメリットを教えてほしいなあと思うところです。

>岡田先生のやつ
資料だけではどんな話だったのかイマイチわからないのですが,結局難しい,って思った。

>寺尾先生のやつ
もうなんか,難しい,って思った。

>森元先生のやつ
スライドのデザインが強烈。当たり前だけど,どの手法にも一長一短ある。しっかり用途に応じた手法を見極めないとね,というお話。直接は関係ないけど,心理学研究の再現性のはなしは,それに対する反証論文がでていたはず。

>椎名先生のやつ
資料だけではいろいろ掴めないけれど,たぶん妥当な批判なのかな。

>山田先生のやつ
まとめなのかな?


ああ,まともな感想になっていませんね。ごめんなさい。。

でも,一番問題なのは,文学部の学生は,p値や統計的仮説検定でも苦労しています(そして半分以上は理解できない)。なのにもかかわらず,そんな人たちがもっと!苦手意識を感じてしまう「確率の式」どーん,という感じのベイズ統計を,きっちり頑張ったり,理解できるのかなあ。という懸念です。少なくとも私は,確率の式には未だに非常に大きな抵抗感があります。ま,シグマに対してもそうですが。

あと,研究者でも導入に対して意見が割れているのに,それを有無を言わさず必修の授業で教えるなんて,結局,都合のいい信者を増やすだけのような気がして嫌だなあ。と思うのです。もちろん,教員の意見を学生に伝えてはいけないわけではないですが。

少なくとも,選択科目でやればいいだけですよね。自分の意見が支持されるかどうかは,学生の判断やフィードバックをきちんと見ればいいだけだと思う。

心理学のための統計学を教える際には,心理学の研究をするために必要な基礎的な知識を教授するべきだと思うのです。社会に出て使うヒトなんて稀なんだから。