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超簡単・心理統計の基礎6 手計算でおこなう多重比較法

超簡単・心理統計の基礎6 手計算でおこなう多重比較法

分散分析の後の多重比較に関しては,統計ソフトが勝手におこなってくれることが多いですが,検定の多重性問題を考慮するときなどは,自身でちょいと計算してあげなければいけません。

 

Bonferroniの方法
でも,難しい計算はしたくないので簡単に済ませる方法は。。。やはりBonferroniの方法。これは,有意水準を検定回数で割ればいいのです。

有意水準が5%で,検定回数が3であれば,
 5/3=1.666...% がそれぞれの検定の有意水準となります。

Holmの方法
でもこれじゃあ,あまりにも有意にならないよ,と言う場合は,Holmの方法を使いましょう。Holmの方法は,検定の順序に応じて,有意水準が変わります(ステップワイズ法)。

有意水準が5%で,検定回数が3であれば,
  5/3=1.666...%
  5/2=2.5%
  5/1=5%
がそれぞれの検定の有意水準となります。

でも,ここで注意。検定の順番は,有意確率が低い順です。また,ひとつでも有意にならなかった場合は,そこで多重比較を打ち切ります

さらに検定力の高いShafferの方法も,手計算で使うことができます。ただし,論理的な作業が面倒なので,WEBに公開されているエクセルを参照するといいでしょう。また,Rのプログラムとして公開されているanovakunを使うと,デフォルトでShafferの方法を適用してくれます。

 

[ 2020/1/4 追記 ]

Rなどの統計ソフトを使用すると,Bonferroni実行時の自由度がやたら大きくなる場合があります。これは,多重比較の際に,「プールした誤差分散を使う」という操作が行われているためです。この操作があるために,自由度も通常のt検定と異なる場合がありますので注意してください。詳しくは下の記事で。

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