心理学系大学院へ行こう

“心理学系大学院へ行こう”では、主に大学院入試対策向けの参考書や受験のための知識を紹介しています。卒論対策にも一読ください。 さらに, 研究者になるにあたって役立ちそうな記事も掲載しています。psychology_ganbaru

神経心理学誌における統計解析方法の実態と理論的検討:推測の意味を考える

効果量,検定力,検定の多重性のはなしです。以下のURLから,フリーで読めます。臨床の方(特に神経心理学)向けですが,効果量や検定力が「なぜ大事なのか」を具体例とともに解説されていますので,初学者のみなさんにも役立つかと思います。また,検定の多重性は現実にこんなに問題になっているんだよ,ということも知ってもらえるといいと思います。

[Title]
神経心理学誌における統計解析方法の実態と理論的検討:推測の意味を考える

[URL]
https://psyarxiv.com/n4uc5/

[Abstract]
本研究では,2000年〜2016年までの17年間に神経心理学誌に掲載された170編の原著論文におけるデータ解析方法の運用状況を調べ,さらに統計的仮説検定における多重性問題および検出力(検定力)の問題を検討した。検討の結果,多くの研究で多重性問題は意識されておらず,特に相関係数を算出する研究において,検定の多重性問題が統制されていないことが明らかとなった。検出力の問題に関しては,サンプル数が多いために検出力が高すぎるケース,およびサンプル数の少なさのため検出力が低くなっているケースの両方を確認した。これらの問題に対して,理論的観点と,“神経心理学”誌における現状の両面から解決方法を提案した。