心理学系大学院へ行こう

“心理学系大学院へ行こう”では、主に大学院入試対策向けの参考書や受験のための知識を紹介しています。卒論対策にも一読ください。 さらに, 研究者になるにあたって役立ちそうな記事も掲載しています。psychology_ganbaru

言語を生み出す本能



言語を生みだす本能〈上・下〉 NHKブックス
Steven Pinker (原著), 椋田 直子 (翻訳)


心理学を志している、言語に興味がある人に何がお勧めかと聞かれたら、迷わず挙げる著作がこれです。スティーヴン・ピンカーの「言語を生み出す本能」。
ちなみにamazonに画像が無かったので違う作品を表示してあります…テキストにリンクが貼ってありますので悪しからず。
ティーヴン・ピンカーはMIT教授、なんか色々受賞したりしているすごい人です。
本作の原題は「The Language Instinct ― How the Mind Creates Language」。
タイトル通り、言語はどのように獲得されるのか、ということがテーマです。
心理言語学の大家、チョムスキーの流れを汲んでいる感じです。本能と言っているくらいですから。
人の脳が、まっさらで何も書き込まれていない状態(Blank Slate)から出発するなら、言語を獲得するのは不可能なんじゃないか。何か受け皿となるべき機構が存在しなくてはならんのではないか。というのが大体の主旨です。だいぶ適当ですが。
いわゆる条件付けでは言語は獲得できないし、初期値が何も無いPDPのようなニューラルネットワークで言語を「獲得する」シュミレーションをしたとしても、その枠組みは既に作りこまれている。
随分前に読んだので細かい内容は覚えていないのですが、「面白い」ことは間違いないです。文章も、ブラックユーモアたっぷりで、常に論理的でわかりやすく、頭の良さがとても伝わってきます。その知識の広さ、深さには感服します。
それに較べて自分のbook reviewの何と陳腐なことか。

他の著作として、上の画像にもありますが、
「人間の本性を考える」 (上中下)
「心の仕組み」 (上下)
がともにNHK出版から出ています。
¥1200くらいと少しお高めなので中古でいいかも。
そのくらい払う価値はあると思いますが。

どれもワクワクニヤニヤ読めること間違い無しです。
教養としてもゼッタイ読んでおいた方がいい。
ただ、英語版では難しくて読めないだろうなあと思っています。読みたいけど。